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無能淫魔とサディスト男
第5章 淫らなおねだりと物騒な約束事
「ったく、喜んでんじゃねえよ。」
「あ、ご、ごめんなさい。あ、あのお構いなく、どうぞ、続けて下さい。」
「何がお構いなくだ。喜ぶんなら仕置きにならねえだろうが。完全にやる気が失せた。」
「??お仕置きがメインなのでしたら玩具で私を犯した後は、ベランダに放置すればいいのではないでしょうか?後は蓮様好みの見目麗しい女性を部屋に招き入れてセックスをすれば性欲も解消されるかと」
思います、という言葉がロゼッタの口から続く事は無かった。何故なら蓮に問答無用で平手打ちをされたからである。
両手首を拘束されている彼女はぶたれた頬を咄嗟に庇う事も出来ず、衝撃でダブルベッドに沈んでいく。
「そういう事をする人間をなんて呼ぶか知っているか?え?女狂いの下衆野郎って言うんだよ。お前は俺がその下衆野郎だって言いたいのか?あ?」
怒りで完全に瞳孔が開いている蓮は、馬乗りになるとロゼッタの髪の毛を引っ掴み、耳元でドスの効いた声を響かせるのだった。
「す、すみません。れ、蓮様を侮辱したわけではないんです。れ、蓮様が、そ、その方が楽しめるのかなって思っただけで」
「楽しいわけがねえだろうが!?馬鹿かお前は?!
脳味噌に何詰まってんだ!?」
殺気を纏う蓮の口から激しい怒号に飛んだ。
彼の怒りを前にしてロゼッタはブルブルと震えるのだった。
「す、すみません。ば、馬鹿ですみません。わ、私は所詮サ、サキュバスですし、こ、この世界の掟も、ま、まだ慣れてなくて、じょ、常識も、あまり無くて、も、申し訳ございません。あ、貴方様の気が済むまで、お、お殴り下さい。す、好きに扱って下さい。も、申し訳ございませんでした。」
恐怖で声が震え、顔面蒼白となったロゼッタがそう謝罪すると、険悪の形相を帯びた蓮は暫し考え込んだ。そして深く溜息を吐くと、怯えるロゼッタの髪から手を離し、馬乗りとなっていた彼女の身体からも退いたのだった。
「....外で煙草吸ってくる。」
「!は、はい。」
「ベッドから一歩も動くんじゃねえぞ。まだ話は終わってねえんだからな。」
そう一言言い捨てると、蓮はシガレットケースを片手にロゼッタをリビングに残し、寒いベランダへと向かったのだった。