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無能淫魔とサディスト男
第5章 淫らなおねだりと物騒な約束事
「....返すよ。勝手に覗いて悪かった。」
「..........え?返すんですか?」
「当然だろう。お前のスマホだろうが。何言ってんだ?」
「……え、私の?没収するのではないのですか?」
「.....没収?悪い事した訳でもねえのに何でそんな事をする必要がある?」
「えっと...すみません、あの一応確認なのですが、
私ってクビですよね?」
「..............ハァ?」
“何を言ってるんだお前?”と言外に含まれていそうな蓮の一言を聞いて、やっとロゼッタは“え!クビじゃないの!?”と自身の考えが誤りだった事に気付いたのだった。あまりにも遅すぎるのである。
「す、すみません。私てっきり解雇されるものかと思ってまして...。」
「俺がいつお前をクビにするって言った?言ってねえだろう?」
「た、確かにその通りですが...その....蓮様を激怒させてしまいましたし、ストレスもかけてしまいましたので、クビかと....。」
「ストレスがかかったのは心身共にお前の方だろうが。それにお前が仕事をミスしたわけでもねえ。それで解雇したら確実に不当解雇だぞ。」
「.......そうなんですね。あ、あの、人間界の家政婦は外出時、その内容を雇用主に報告する義務があるのでしょうか?」
「........突然何だよ。嫌味か?」
思わず蓮の眉間に皺が寄り、歪んだ笑みが浮かび上がる。
独占欲の強い彼にとって、その言葉は最上級の皮肉の言葉でしかなかったのだ。