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無能淫魔とサディスト男
第5章 淫らなおねだりと物騒な約束事
「.....他に聞きたい事は?」
妙な沈黙を破るように開口した蓮に問い掛けられて、ロゼッタは脊髄反射のようにビクッと身体を震わせた。
「......あ、ありません。」
「....本当か?お前、いつも遠慮するだろう?無いのか?困っている事でもいいし。」
「困っている事、ですか....。」
その瞬間、フワッとまた蓮のフェロモンが香った。
“まただ、またムラムラしてきた。
なるべく意識しないように、気を張って頑張っていたのに、ここに来て一気に気が緩んだんだ...。
心配症の蓮様にこれ以上ご負担をかけたくない....どうしよう、どうやって乗り切ろうか?“
「.....何かあるのか?」
「へ!?ひぃ、い、いいえ、別に何もございません。」
途中で声が裏返ってしまったが、何とかロゼッタは返答する。
しかし蓮は彼女の大根役者っぷりを嘲笑うように鼻で笑った。
「お前の”身体“は本当に正直だな。お陰で簡単に嘘を見破る事が出来る。それでもまだお前は足掻くつもりなのか?」
“お前の見え透いた嘘なんか俺には全部お見通しなんだよ。“
嫌味と皮肉が込められた蓮の言葉に、ロゼッタは口をつぐんだ。「何の事ですか?」としらばっくれても、どの道八方塞がりになってしまうと確信してしまったからだった。