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無能淫魔とサディスト男
第5章 淫らなおねだりと物騒な約束事
「お休みになって下さい?目の前で堂々と嘘を吐かれて熟睡できる馬鹿が何処にいるんだ?!あ゛?そんなに俺が頼りないか?!」
「ち、違います!れ、蓮様は、と、とっても頼りになる方です。す、全て、じ、自己解決出来ない、わ、私が悪いんです。す、すみませんでした。サ、サンドバックでも、こ、公衆肉便器でも、お、お好きなようにして下さい。」
「.....悪いが世辞にしか聞こえねえよ。それにサンドバックに公衆肉便器って何だ?チョイスが悪趣味の極みじゃねえか胸糞悪りぃ。ますますイライラしてきた。」
「す、すみません。で、でしたら蓮様のお望みの事をわ、私に...。」
「だからさっきから素直に言えって言ってんだろうが!!!!耳付いてんのかよ!!」
「!!ひぃう!、そ、それ、以外、で、お、お願い致します...。あ、あの、催眠魔法とかは、い、いかがでしょうか?」
怒号を上げる蓮に恐る恐るロゼッタは問い掛けた。
また怒鳴り声を上げられるかもしれないと身構えていた彼女だったが、予想に反して蓮は一言も発さないのだ。
だが、三白眼の鋭い視線だけはしっかりとロゼッタを捉えている。
痛みを感じる程の沈黙が暫く続いた後、蓮は徐に口を開いた。
「お前、俺の事嫌いなのか?」
落胆したような、蓮の低い声がロゼッタの鼓膜を伝わり、彼女には何度もこだまして聞こえた。
「違う!違うの!ほ、本当に違うの!」
そして思わず敬語が抜け落ちてしまうぐらい、ロゼッタは動揺したのだった。
彼女の心拍数が一気に跳ね上がる。
「何だ違うのか?だが俺を嫌いと仮定した方がお前の一連の言動にすんなり納得がいくんだが?
平気な顔で解雇の話をし出すのも、頑なに口を割らない理由も全て、“雇用主である俺が嫌いだから”という理由があれば、ああそうかと首を縦に振りたくなるだろう?違うか?」
「ち、違う!わ、分かった。ぜ、全部言う!全部言うからお願い、そんな事言わないで!本当に嫌いなんかじゃないの!」
「..........いい子だロゼッタ。よく言えたよ」
“よ、良かった....勘違いされずに済んだ。”
そのままポンポンと蓮に頭を撫でられると、ロゼッタは緊張が解れてしまい、足元がふらつきかけたが、何とかその場で踏ん張ったのだった。