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無能淫魔とサディスト男
第5章 淫らなおねだりと物騒な約束事
「...あー...分かりやすく例えを出して説明すれば、こうだ。もしお前が俺に黙って立ちんぼ行為で上手く魔力を確保出来ていたとする。だがある時、売春客に拉致監禁された、暴行を受けた、そういった事でお前が身動きが取れない、俺に連絡が取れない、最悪殺されかけた等の非常事態に見舞われた。もっと早く俺に相談をしておけば良かった、とお前は後悔するだろうし、俺はそもそも対処の仕方が分からねえから、闇雲にお前を探し回らなきゃならねえ。なぁ?相談の重要性が分かったか?」
「...........なるほど、蓮様の言いたい事は分かりました。ですが、エネルギー源の確保すら、雇用主様のお力をお借りしなければならないサキュバスなんて存在価値は......い、いいえ!失礼致しました!蓮様の貴重なご意見を頂き、相談の重要性を理解する事が出来ました!あ、ありがとうございます!」
急にロゼッタの主張が180度変わったのは、蓮の顔が般若のような恐ろしい形相へと変わったからだ。
丁度、“存在価値は有りません”と言い切ろうとした辺りだろう。
そして般若顔で睨みつけてくる蓮の圧は中々の迫力があるのだった。
「..........なら良かった。一瞬、俺の説明が悪かったのかと不安になったが、きちんとお前が理解出来たのなら安心した。」
般若の表情が消え失せた蓮は、鋭利な目を細めて穏やかな声でそうロゼッタに言うと、犬を手懐けるように彼女の頭を優しく撫で上げたのである。
理解したというよりも、完全に蓮の放つ圧にロゼッタが屈してしまっただけで、それは蓮自身も薄々感じているようにも見えた。