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人質交換を託された女
第12章 籠城戦の行方
彼女たちは布で目隠しをされ、口に粘着テープを貼られていた。手を後ろに回し、3人は背中を合わせるように、寄り添っていた。彼女たちの胴体にはそれぞれ縄が巻かれ、それらは連結されているようだった。太ももと足首も縛られていて、その場から動けないようになっていた。

捕らわれたままという事に変わりなかったが、彼女たちの衣服に目立った乱れがなかった。そのことが不幸中の幸いだった。もっと言えば、彼女たちが目隠しをされていて、よかったとさえ思えた。私たちが衣服を剥ぎ取られた状態で、縛られていると分かったら、パニックになっていたはずだ。

男は続いて隣の『第2会議室』に入る。ここでも女性3人が同じように、見ることも、話すことも、その場から動けずに、室内で監禁されていた。横に立つ佐伯さんの胸が大きく上下していた。彼女も動揺しているようだった。
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