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人質交換を託された女
第12章 籠城戦の行方
「本当に味方なんですね…」
私は慎重に、再度訊ねてみる。
「そうだ…」と男はしっかりと私を見つめていた。
第2の扉の方を向いて、私も自ら縛られた背中を男に見せた。
「解いてください…」とお願いした。
男はその場から全く動かなかった。背後から虚しい言葉が聞こえた。
「彼女が戻ってくるまで待て…」
男は手に縄を持っていた。それが意味することは明白だった。男は佐伯さんが着替えて戻ってきたら、彼女を再び縛るつもりなのだと。それは行員女性たちに休憩を与えられた時と同じだった。そして、それが済むまで私は縄を解かれることが許されない、服を着ることも許されないという事だった。
彼に訊きたいことがあったが、お手洗いの出入口扉の音が聞こえ、私は男を見つめ、口をつぐんだ。すぐに更衣室の扉も開き、佐伯さんは戻ってきた。彼女の足取りは軽かった。
私は慎重に、再度訊ねてみる。
「そうだ…」と男はしっかりと私を見つめていた。
第2の扉の方を向いて、私も自ら縛られた背中を男に見せた。
「解いてください…」とお願いした。
男はその場から全く動かなかった。背後から虚しい言葉が聞こえた。
「彼女が戻ってくるまで待て…」
男は手に縄を持っていた。それが意味することは明白だった。男は佐伯さんが着替えて戻ってきたら、彼女を再び縛るつもりなのだと。それは行員女性たちに休憩を与えられた時と同じだった。そして、それが済むまで私は縄を解かれることが許されない、服を着ることも許されないという事だった。
彼に訊きたいことがあったが、お手洗いの出入口扉の音が聞こえ、私は男を見つめ、口をつぐんだ。すぐに更衣室の扉も開き、佐伯さんは戻ってきた。彼女の足取りは軽かった。