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人質交換を託された女
第15章 命脈
***

ソファの大きなクッションを2つ重ねて、そこに体を預け、肘を付いていた。堅苦しくならず、リラックスしてほしい、という指示があった。キャミソールの上にカーデガンを羽織り、肌の露出を避けていた。体の大部分を毛布で覆い、目の前にいる人物との壁を作っていた。

ここは自宅だった。
コーヒーテーブルには事件翌日の朝刊が置いてあった。

一面には銀行強盗の発生と、事件の解決を報じていた。
『犯人グループ4名死亡、人質11名全員救出』と文字が見える。

目の前のソファには2人の女性が座っていた。1人はスーツを着た捜査員で、もう1人は落ち着いたベージュ系のワンピースを着たカウンセラーだった。
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