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人質交換を託された女
第16章 侵入者
私は膝から先の脚を動かして、頭を上げ、自身の目で足首の様子を探る。足首に紫色のスカーフが巻かれていた。それを知り、私は体をうつ伏せにして、後ろに回された手首を動かしてみる。きっとここにも同じ色のスカーフが私を縛っていると思うと、胸が熱くなる。足首と手首を動かして、解けないと分かると、「ふぅ…ふぅ…」と息がどんどん荒くなる。
寝室の扉が開いた気がして、自然と視線がそちらに向いていた。だがソファのクッションが邪魔して、向こう側が見えなかった。
男の姿が見え、私の体はよじれ、「ふぅ…」と息を吐き出した。フルフェイスマスクを外し、顔がはっきりと見えた。それは田口さんだった。口元に人差し指を添えて、「シィー」と伝えているようだった。
寝室の扉が開いた気がして、自然と視線がそちらに向いていた。だがソファのクッションが邪魔して、向こう側が見えなかった。
男の姿が見え、私の体はよじれ、「ふぅ…」と息を吐き出した。フルフェイスマスクを外し、顔がはっきりと見えた。それは田口さんだった。口元に人差し指を添えて、「シィー」と伝えているようだった。