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人質交換を託された女
第18章 炎の誓い
「腕が辛いので…解いてもらっていいですか…?」
私は肉体から人柄を感じ取り、彼の優しさに甘えたかった。

「そうだな…腕をずっと上げていたから辛いはずだ…」
彼はそう言うと、頭の後ろに固定されていた手首の縄を解いてくれた。

私は両腕をゆっくりと下ろそうとした。だが彼の手が左右の腋に添えられ、腕が下ろせない。恥ずかしい湿りを触れられ、腕をさらに高く上げ、「ァン…」と悶えていた。

彼の熱い息を首に感じ、身をくねらせ、彼の唇をうなじに感じると、「ハッ…」と口が開いてしまい、彼にも負けない熱い吐息が漏れていた。

気が付けば背後からキスをしてくる彼の頭を自ら支え、互いの体の密着を許していた。

肉体の結露に塗り薬を塗るように、彼の指先が私の腋をそっと撫でてくる。

「ここが弱かったよな…?」
と彼の唇が後ろ髪と素肌の境目を舌で舐めてくる。

私は何も迷いなく、後ろ髪を引かれる思いもなく、「はい…」と彼に告げていた。

鏡に脇目もふらず、脇を隠すように腕を下ろし、そっと彼の手を掴んだ。そして自らの女の証へ誘っていた。
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