この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
人質交換を託された女
第6章 A Lucky Winner
予想もしていなかった指示に、女性たちは肩を撫で下ろしていた。それがはっきりと見て取れた。
今度はリーダーの男が指示を出した。
「倉庫に災害備蓄用の水が置いてあったな…それを1人ずつ…お手洗を済ませたら飲ませてやれ…」
別の男は「はい…」と答えて、佐伯さんの椅子に近付いていく。
リーダーの男の指示をはっきりと聞いた女性たちは、少し安心した顔で、男が佐伯さんに近付いても抵抗することなく、彼女の様子を見守っていた。
佐伯さんは私の目の前で、介助役になるべく、ロープが丁寧に解かれていく。私はそれをリーダーの男に体を支えてもらいながら、じっと見つめていた。
まずは彼女の足首が椅子の根元から解放され、続いて両脚が座面から、そして今度は彼女の胴体のロープが背もたれから解かれていった。
女性行員たちと私は、彼女の身に何か起きてしまうのではないかという不安から、目を放せずにいた。最後に手首の拘束が解かれ、彼女は自身の手首を動かし、ストレッチをしているようだった。事件発生時からずっと拘束されていたら、手首だって固くなるはずだった。
今度はリーダーの男が指示を出した。
「倉庫に災害備蓄用の水が置いてあったな…それを1人ずつ…お手洗を済ませたら飲ませてやれ…」
別の男は「はい…」と答えて、佐伯さんの椅子に近付いていく。
リーダーの男の指示をはっきりと聞いた女性たちは、少し安心した顔で、男が佐伯さんに近付いても抵抗することなく、彼女の様子を見守っていた。
佐伯さんは私の目の前で、介助役になるべく、ロープが丁寧に解かれていく。私はそれをリーダーの男に体を支えてもらいながら、じっと見つめていた。
まずは彼女の足首が椅子の根元から解放され、続いて両脚が座面から、そして今度は彼女の胴体のロープが背もたれから解かれていった。
女性行員たちと私は、彼女の身に何か起きてしまうのではないかという不安から、目を放せずにいた。最後に手首の拘束が解かれ、彼女は自身の手首を動かし、ストレッチをしているようだった。事件発生時からずっと拘束されていたら、手首だって固くなるはずだった。