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人質交換を託された女
第8章 佐伯の決断
背後の男に体を手繰り寄せられ、胸の膨らみが揉まれ、目線を落とす。そうすると口元から唾液が糸を引いて滴り落ち、目を細めて見つめてしまう。

背後の男は姿勢を変えず、女の象徴に手を添え、ゆっくりと胸を揉んでくる。それに合わせ、男芯がゆっくりと引かれ、奥に進む。

「ハァ…ンンッ…」と悶えていた。

そこは女として最も隠したい、でも塞げない、心と肉体を繋げる隙間だった。時には寂しくて、相手に振り向いて欲しくて、想いを、頑張りを認めてほしくて、肉体の隙間を埋めたことがあった。胸の奥には特別な記憶がいくつもあった。でも今は危険の芽を摘み取ることができず、良心につけこまれ、冷静な判断力が奪われ、気が付けば、つるが全身に伸び、身を固められ、太い根が肉体の隙間を埋めていた。皮肉にも熱い恥蜜がローションの役割を果たし、ぐさりと杭のように私の肉体とを連結していた。

そんな時に佐伯さんの虚ろな目を見返すのは辛かった。警察官という見掛け倒しの肩書は奪われ、女としてあられもない身の皮を晒していた。肉体の持つ曲線を露にし、男たちの毒牙にかかった女として見えていたのだろう。
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