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第5章 忍の告白「４月下旬・Portrait」

相思相愛という感じの水野家夫婦。33歳の旦那さんと29歳の美咲ちゃん。娘が二人。

しかも、夫婦が揃って真面目。オナニーしない、アダルト動画も見ない男っているね。当然、不倫も浮気もありえない関係。

乱れた、爛れた性関係しか知らなかった私には、ある意味、新鮮でした。

「夫は、『海外はハニートラップとか、性病とか、風土病とか、いろいろあるからね。現地の人との接点はないようにしている』と言っていました」

と、話す美咲ちゃん。それは確かにあるのだけど、それでも我慢できないのが男。性病。。。今から思うと無茶苦茶していた私。なんとなく、バックパッカーの話とかしていたので、美咲ちゃんに、

「あなたは、無茶苦茶！」

と、批判されたような気がして。。。被害妄想だとはわかっているけど、、、美咲ちゃんみたいに真面目だったら、勘当されることもなく、親に心配かけることもなく、普通に結婚して子供を産んで、孫の顔を両親や祖父母に見せられたのかも、、、と思うと、少しつらかったのは確か。

旦那か・・・今までいろいろ関わりのあったママ友たち。。。シングルマザーの家庭と、夫婦の家庭の違い。

今までは、ずっと、旦那持ちのママ友を、「根性なし」「旦那依存症」と小馬鹿にしているところがあったけど、、、更年期を迎え、閉経を意識し、子供たちも成長して来て、老後を考えると、、、１人でこのマンションのこの部屋で過ごすこと想像すると、、、結婚して、旦那というものを持つべきだったのかもしれないと、後悔していました。

ママ友たちの多くは、旦那の不満を口にしながら、旦那に依存している感じだったから、余計に「根性なし」「旦那依存症」とか、思ったのかもしれないけど、美咲ちゃんは、違った。旦那への不満はなかった。「海外勤務で単身赴任」の旦那を子育てしながら待つツラさは話すけど。

不満を口にしないとやっていられないような旦那なら、いっそのこといない方がマシだと思っていたけど、美咲ちゃんのように、不満を口にする必要のない旦那なら欲しいなあと、思うようになっていた。

どんな旦那さんなのかは、姿かたちは知っていた。背が高くて、少しオタク系であか抜けていない感じだけど、まずまずの顔立ち。少なくとも、私のタイプではないけど、美咲ちゃんの話を聞いて、２人のやり取りを聞いて、羨ましいと思ったわ。