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霧中の夢
第1章 霧中の夢

けだるさを隠すことなく由美は寝室のドアを開けた。
そして、リビングへと向かう。

リビングにはローテーブルとソファにテレビが置いてある。
その奥にはキッチンがあり、ダイニングテーブルが置かれていた。

リビングの掃き出しの窓には僕らが飼っている2匹の猫が日向ぼっこをして寝ていた。
2匹ともキジトラの女の子で、名前はルルとララと言う。

とても温厚で人慣れした猫たちだ。
僕はとてもその猫たちを可愛がっていた。

由美はキッチンに行くとケトルに水を入れコンロに火をつけ湯を沸かし始めた。
マグカップには一人用のドリップ珈琲をセットしていた。

暫くすると湯が沸いた時に鳴る“ピー”と言う音がした。
火を消すとケトルの取っ手を持ち、湯をドリップ珈琲へと注いだ。

部屋には珈琲の良い香りが漂ってきた。
由美は珈琲を淹れるとそれを一口すすってからテーブルの上にカップを置いた。

冷蔵庫から卵を2個取り出して、油をひいたフライパンへと割って落としてゆく。
目玉焼きを作っている様だった。

次に、厚切り食パンを1枚袋から出すとトースターにそれを入れた。
パンの焼けるいい香りがしてくる。

目玉焼きが出来上がるとそれを皿に移した。
と、同時にパンも焼けた様だった。

由美は珈琲とトースト、目玉焼きを乗せた皿をリビングのローテーブルに運んだ。
大きな掃き出し窓からぼんやりと外を眺めながらまた珈琲をすすった。

トーストを一口かじってみる。
かじりながら何かを思い出している様だった。

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