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私立桐邦音楽大学附属中学校
第21章 小山田梨果の生尻
しばしの休憩の後、通りをしばらく歩くと2人は国道に出た。

「ここで買お!」

小山田は国道沿いのファッションセンターに案内してくれたのだ。

(なるほど、ここなら価格が抑えられるってことか!)

店内に入ると広い売り場の一角に女性下着コーナーがあった。

「ここなら店員さんの接客ないから男子でも恥ずかしくないでしょ?」

恥ずかしくないと言えば嘘になるが、接客が伴う下着専門店より数倍マシである。

「う、うん。」

「どれにする?」

「う、うーん……」

「結構真剣に選んでるね。」

「そ、そうかな。」

「こんなのどう?」

黒の下着を掲げる小山田。

「却下。」

「ええっ!セクシーなのにー!」

(やっぱり小山田には可愛いのが似合うよな。)

弘斗は30分近く商品を物色して1つの上下セットに絞った。

「へー、室賀くんピンク好きなの?」

「えっ!いや、逆に小山田が選ばなそうだから……」

「えっ!……なんでわかるの?」

「ず、ずっと見てるから……」

「私の下着を?」

「ちがう!」

小山田梨果の愛用する小物や文房具に水色系の物が多いのを弘斗は知っていたからだ。

「確かにピンクの下着は持ってないから新鮮かもー」

「……オホン。で、サ、サイズは?」

「B65だよ。」

(ゴクリ……び、B65……いまだにBカップなんだ)

同じデザインのB65を探す。この店は試着ができなかった。

「あ、あった。えーっとこれでいい?」

「うん!」


「ありがとうございましたー」

緊張しながら会計を済ませて下着が入った紙袋を小山田に渡す。

「うふふ、クラスメイトの男子に可愛い下着買ってもらっちゃったっ!ありがと室賀くん。」

「いつもみたいな高級なものじゃなくてゴメン……」

「やっぱいつも見てるんじゃん。」

「って……!!」

「あー!赤くなったー!」

「か、勘弁してくれー……」

弘斗は小山田に振り回されっぱなしだ。
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