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私立桐邦音楽大学附属中学校
第27章 高遠美月 初めてのブラ
「お待たせー」

高遠が採寸から帰ってきた。

「それ選んでくれたの?」

「あっ。」

弘斗が手に持っている下着に気付いた高遠。

「そちら、サイズお探ししますね。」

「え?ええ……」

篠田店員に下着を手渡した。

「他には?」

「ええっ?!」

弘斗は高遠に付き添い5点ほど選ばされた。

「美月、決まったの?」

「あい。」

「篠田さん、この子をいつものフィッティングルームご案内いただいていいですか?」

「もちろんでございます。」

「美月、篠田さんにお任せすれば安心だからゆっくり試着しなね。」

「あい。」

そう言うと角山と小山田の2人は再び下着を物色しに行った。
そして高遠と取り残される弘斗。

「ではフィッティングルームにご案内します。」

「行っといで。」

「……一緒にきて。」

ブレザーの裾を掴まれた。

「は?なに言ってるんだよ。」

「お気になさらないで大丈夫ですよ。当店のフィッティングルームはパートナーの方ともゆっくりお選びいただける設備でございます。」

「ぱ、パートナー?!」

「……だってさ。」

「はあ……」

人見知りの高遠にとっては羞恥心の欠落というよりも1人だと心細いのが本音らしい。仕方なく弘斗もついて行くことにした。

(なんで俺?!同性の角山が付き添えよ……)

振り返ると当の角山は小山田と楽しそうに商品を見ていた。
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