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私立桐邦音楽大学附属中学校
第28章 角山奏音の下着選び
「ええっ、こんな可愛いのばかりなの?!」

再び5セットの下着を選ばされた弘斗。そのラインナップを見た角山本人の感想がそれだった。

「ええっ、だってお前が普段どんなの着けてるのか知らねえし……」

「あ、当たり前でしょ?!このスケベ!」

「なんでそうなるんだよ!」

もちろん弘斗が知る由もないが、角山奏音が普段身に着ける下着は上質ながら飾り気のない大人しいものだった。

「梨果じゃあるまいし、こんな可愛いの私には似合わないよ……」

「そうか?」

「えっ……?」

「似合うと思うから選らんだんだけど……気に入らないならもう一度探し直すか?」

再び陳列棚に向かう弘斗。

「……まって。」

「あん?」

「試着してみる……」

「ん、そか?」

「篠田さん、この5着の私のサイズのありますか?」

店員の篠田を呼ぶ。

「ではまず採寸いたしましょう。」

「ううん、先月測っていただいたばかりなので同じサイズでお願いします。」

「うーん……」

まじまじと角山のバスト周りを見る篠田店員。

「し、篠田さん?どうかしました?」

「い、いえ……とりあえず前回のサイズをご用意しますね。」

「お願いします。」


ほぼ待つ事なく篠田店員が5種類の下着のサイズを揃えて持ってきた。

「ではフィッティングルームへご案内します。」

角山は小山田と高遠を連れて試着室へ行ってしまった。
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