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私立桐邦音楽大学附属中学校
第29章 ヌードモデルの真実
下着店を出て弘斗は3人娘とカフェのテラス席で渇いた喉を潤していた。

改めて眺めても間違いなく美少女の3人。

(気まずい……)

ついさっき高遠美月と角山奏音の下着の試着を目の当たりにし、その際角山に至っては生乳房まで見てしまった記憶が新しく、照れくさく会話に混じれないでいた。

「梨果は下着買わなくて良かったの?」

高遠がグラスの氷をクルクルしている小山田梨果に訊ねる。

たしかに今回小山田は下着を買わなかった。内藤データでは彼女も1サイズ上がったわけだし購入を考えても不思議ではなかった。

(それより何より試着見たかったな……)

チラチラと小山田の美しい横顔を眺めてしまう。

「ううん、あまり勝手に買うとおじさんに悪いから。」

「え?どういうこと?」

しばらく黙っていた弘斗、急にその言葉に反応してしまう。

「あのねえ室賀。」

「な、なんだよ角山。」

「最近梨果のプライベートに立ち入りすぎだよ。」

「あ……いや。」

「いいよ奏音。」

「でも梨果、あの話は……」

「いいの。室賀くんはその話に興味があるみたいだから。」

「あの話って絵画モデルの話?」

「こら美月っ!」

「……奏音、美月。悪いけど私、室賀くんと先に行くね。」

「ちょっと梨果!やめときなって。」

「ごめん奏音!いこ室賀くん。」

「あ、ああ……」

小山田を追おうとしたその時、突然ブレザーの裾を掴まれた。
振り返るとその犯人は高遠美月だった。

「どうした高遠……」

「行かないで。」

「……ごめん高遠……」

ブレザーを掴む高遠の細い腕をそっと掴んで離させた。
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