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私立桐邦音楽大学附属中学校
第29章 ヌードモデルの真実
最後に描かれたページ。全裸の小山田が仰向けで左手を乳房に、右手を女性器に添えていた。顔は恍惚とし、大きく口を開けて瞑る瞳から涙を流していた。

「この時見た梨果ちゃんの表情は今に至るまで最高だったな。」

「これは……一体何を?」

弘斗が問いた。

「オナニーだよ。」

「ええっ?!」

「オーガズムに至った少女の瞬間を描いた絵だ。」

田村というこの辺の自治会長の指示した内容は、ポーズというより場面の美しさを追求したそうだ。そこで選択したのが美少女のオーガズムの瞬間とのことだった。

「う…………」

「む、室賀くん?!」

「お、おい少年……?」

「室賀くん!?室賀くん?!」


「おえええええええ!!!」

最後の絵の説明を聞いている途中で弘斗は気分が悪くなりトイレに案内してもらった。

「おえええええええ!!!おえええええええ!!!」

便器へ盛大に胃の中身を吐いてしまった。

『だ、大丈夫?室賀くん。』

トイレの扉の外から小山田の心配する声が届く。

出す物を出し切り落ち着きを取り戻した弘斗。トイレを出ると目の前に小山田梨果がいた。

「小山田……」

「ごめんね室賀くん……」

「……何のためにした行為なの?」

「……」

「性癖のため?」

「ちがう!その時はちがう。」

「じゃあなぜ?」

「お父さん……家族のため。」

「でもその家族って今は……」

「そう。そこでその噂に繋がるの。」

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