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謀殺された王子は 復讐者として淫らに返り咲く
第14章 面影

 シアンを掴んでいた手も離してやる。

「…ハァ、シアン、お前の推測通りだ。俺はこの件に裏があると睨んでいる」

「何か手がかりは見つかったのですか?」

「いや…」

 シアンの出自(しゅつじ)より、今は何よりタランの方が重要だ。

“ と言っても相手は公爵家、いきなり身辺調査は難しい ”

 首都に戻ったばかりのバヤジットにはとにかく情報が少なかった。あるとすれば……


『 タラン侍従長は彼等を民兵として徴用しているのですが、その人数が尋常ではない。駐屯地のあるウッダ村は人があふれ酷い有り様です──… 』


“ そうか、タランが民兵を徴用していると報告があったな ”

 昨日、部下に知らされたこの情報。これが唯一の手がかりか。

“ ウッダ村ならラクダの足で一刻もかからん ”

 ターバンをひと巻き解いたバヤジットは、残り布で目元から下を覆い留め具に固定する。そうやって身支度をおこないつつ、練兵場の先にある馬舎へ歩いた。


「ラクダを一頭だ。用意してくれ」

 馬舎では馬やラクダの世話をする平民がすでに働いており、バヤジットは彼らに命じてラクダと飲み水の用意をさせた。

「道中の乗り換えはどうしやすか?そろそろ嵐の時期ですから、街道の駅舎は空っぽですよ」

「問題ない。乗り換えは不要だ」

「それで──…後ろの方も同じでよろしいので?」

「…ッ?」

 厩役の男に問われて後ろを振り返った先に、ちゃっかり後をつけてきたシアンの姿があった。


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