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謀殺された王子は 復讐者として淫らに返り咲く
第15章 ウッダ村の民兵
タラン侍従長の指示でウッダ村に集められたという平民達──。
対帝国の臨時的な兵力か?だが今見たかぎり、彼等に兵隊としての価値は無い。まともに訓練を受けていないのだ。
そんな連中を数だけ集めて
奴がやろうとしているコトは──。
「……」
シアンは来た道を戻りつつ、建物の内部に耳をすませて思索していた。
....
「……。──…、…あーあ、だりぃなあ。こんな暑いなかで棒切れなんて振ってられっか?」
「ははは、サボってるお前が言うなや」
「こんな訓練のマネごとさせて何がしたいのかね貴族さまは。戦は起こらないって言ってたろ?」
「はぁぁぁ、こんなことならアイツらと一緒に王都に付いてけばよかったかもな」
「あっちを選んだヤツらは今ごろどうしてんだか」
建物内部から、訓練をぬけ出た連中の会話がコソコソと聞こえてくる。
「──失礼、今の話を詳しく聞いても?」
「…っ!?」
そこへ躊躇(ためら)いなく飛び込んだシアン。ぎょっと驚いた男達が建物の入り口へいっせいに振り向いた。