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謀殺された王子は 復讐者として淫らに返り咲く
第15章 ウッダ村の民兵
そこに立つのは歳若い青年。
その服装は、隊服ではない。
「な、なんだ、近衛兵じゃあない…よな?おどかすなよ…っ」
「すみません」
「肝が冷えちまったぜ。誰だお前さん」
「僕は先ほど村に到着したばかりで、名をシアンと申します」
「シアン?へんな名だな。顔立ちも妙に……」
相手が貴族ではなかったことにひと安心する面々だが、知らない顔のシアンに対して完全には警戒を解かない。
「それより話を戻しますが『王都へ付いて行けば』とは何の事でしょう。集められた人々はここにいるのが全員ではないのですか?」
「…っ…なんだってそんなこと気にするんだ。お前さんが知らないってんならわざわざ話すまでもねぇ」
「そう言わず教えてください。王都に行った方々は、そこで何を?」
「しつけぇな。そんなの聞いて何か企んでるのか?」
先ほどの会話──。民兵の駐屯地が王都ジゼルにもあるということなのか?
シアンは即座に尋ねたけれど、男達は答えようとしない。
シアンを信用していないのだ。
だったら──
「余計な詮索しねぇで仕事を探しに来たんならまず近衛兵のとこ行きな。食いもんの支給もそこである」
「確かに僕は仕事を求めてきましたが、ただ、皆さんの言う仕事とは全く違います」
「??」
「よければ……そうですね、試してくださっても構いませんよ?」
「お前…──!そうかその肌の色……」
相手の警戒を和らげる手段は
信頼を得るか、もしくは、蔑みを受けるか
……その、どちらかだ。
「お前さん《ギョルグ》だな?──ははっ、どおりでキレイな顔をしてやがる」
「…興味を持って頂けましたか?」
「いいぜ……仕事をやるよ」
「話が早くて助かりますね」
シアンは妖艶に微笑みながら男達に近付き、衣服の腰紐を解いて足下に落とした。