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謀殺された王子は 復讐者として淫らに返り咲く
第20章 冷たい手枷

「‥…!‥っ…」

 手枷が音を鳴らす。

「逃れようとも無駄だ」

「…ッ‥スレマン‥様…‥!!」

「…っ…たまにはこうして責めるのも悪くない…。いつもいつも、貴様の生意気な手戯にのってやるのも癪(しゃく)であるしな」

「‥…ぁッ」

 皮膚の薄いトコロを邪な手が責め立てる。震えるシアンの顔を覗き込みスレマンの目が興奮して赤らんだ。

 シアンの肌も首筋からゆっくりと赤みを帯びる。

「貴様の思惑どおりにいかぬのは…歯がゆかろう」

「…ク ‥ッあ‥」

「その生意気な目が負けを認め許しを乞うまで続けてやる」

 色っぽく声を漏らす唇とは対称的に

 薄く開けてスレマンを流し見たシアンの目だけは、いつもの様にどこか冷淡で、強い自我を保っている。

 その反抗的な目がよけいに男を煽った。

「ふふ……ふはは、容易く音(ね)を上げてくれるなよ…!?」

「‥…!?‥ッ──」

 胸の突起を弄っていた手が、シアンの下半身へ伸ばされる。

グッ──

 剥き出しの太腿を辿り、膝裏を持って高々と上げられた。

 シアンは両手を拘束されたうえに片脚を持ち上げられ、ますます身動きが取れない体勢になった。

 そしてすぐに、下着の布をほどかれる──。


.....パサッ


「……ふん、やはりな、もうここまで涎を垂らして…品の無い」

「あ、ああッ‥」

 下着の中で勃ち上がりかけていた男根が外気に解放される。

 すぐさまスレマンの掌がソレを捕まえ、馬鹿にした手つきでシアンの腹に打ち付けた。

 くびれた腹にペチペチと当てられるたびに…濡れた鈴口から水音が跳ねる。

 侮辱的な扱いに腹が立つのが普通だが、シアンはゾクリと背筋と内腿を震わせた。

 だらしが無い、品が無いと侮蔑の言葉を並べながら、スレマンがそれを弄ぶ。

 乱暴に振ってみせたり、根本から扱いたり、指の腹で鈴口の溝をヌルヌルと撫で回したり、やりたい放題だった。

「…ああ、ああ……‥//‥…っ‥!!」

「…ふ…いつにも増して貪欲な…、拘束されるのが好きなのか?それとも…あの男に見られているのがイイのか…?」

 ニヤリと笑ったスレマンが、固まって動かないバヤジットを横目に見る。

「──ッ?」

 言葉を失い突っ立っていたバヤジットは、冷や汗とともに我に返った。


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