この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
謀殺された王子は 復讐者として淫らに返り咲く
第22章 復讐者の記録──参

『 なッ…んのつもりですか、…ハァ、ハァ 』

 いつもの事ながらこの男の情緒には全くついていけない。

 乱れた息をぐっと堪え上目遣いで睨む少年だが、ヤンは悪びれもしなかった。

『 …確かにお前は男娼の素質がある 』

『 …? 』

『 だが最適じゃあない。いいか覚えとけ──…客を悦ばすだけが手だと思うな。相手を翻弄し夢中にさせ心酔させろ 』

『 …っ、わかっ てる… 』

『 ……どうだか、な 』

 頭を掴んで、ポンッと軽く突き放された。

 弱っている少年はそれだけで仰向けに倒れてしまい、ヤンはやれやれと溜め息をつく。


『 ──っと勝手に休むなよ。ほらさっさとこの面倒な手筒を片付けろ 』

『 …貴方…ほんとに性格(たち)が悪いですよね…!! 』

『 いくら褒めても休ませないからな 』

『 〜〜〜!! 』

 まともな会話のできない相手に少年は文句すらも言えず、諦めて衣服の乱れを直す。

『 煙管の灰で床が汚れた。後でここも掃除しておけ 』

『 …… 』

 返事をしない事が、せめてもの反抗だ。

 だが歯向かいすぎるとまた襲われかねないので加減が難しい。少年は嫌々ながら卓上から筆を取り、ひとつの手筒に目を通した。

 ──男娼は身体を売るのが商売だが、ヤンに心酔する者の中には心まで求める愚かな者がいた。こぞってヤンの機嫌をとるのだ。

 …いったいどちらが客なのやら。

 下心丸出しの文言を流し見た後、少年はその返事を別の紙にしたためる。

 ヤンの代筆だ。

『 前と同じ要領で書きますけど 』

『 よろしく頼む。気の利いたひと言も書き添えとけよ 』

『 …そんなの知りませんけど 』

『 自分の為と思って練習しておけ 』

 勝手な事を言い、自分は寝そべるヤン。貴方がラクしたいだけだろという罵りは噛み殺した。


/401ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ