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謀殺された王子は 復讐者として淫らに返り咲く
第29章 地下の陰謀



……



「‥‥ッ…‥、‥…はぁッ…‥!!」


ジュク‥‥ジュク…‥‥ジュル


「…ッ‥─‥‥あ、あ‥!!」


ビクッッ─
ドクッ...ドクッ!


「……そのまま続けて差し上げろ」

「‥フぅ…‥!? う、‥‥あ‥‥//」


 地下道の突き当たりに横たわる身体──。

 仰向けにされ、腕を頭上で鎖に繋がれ、股の間には別の男の顔が被さる。

 身をよじるだけの……ろくに抵抗もできないシアンを、牢の外からタラン侍従長が見下ろす。

 シアンの身体がイキ果てるたびに、タラン侍従長の目は歓喜した。

「嘆かわしい……実に嘆かわしい光景だ。かりにも元、王族である貴様が……こんな下人の手で良いように弄ばれているなど」

 嘆かわしいなど、口先だけ。捕らえたシアンを牢に繋ぎ、こうして辱めるよう指示をしたのはタラン自身だ。

「亡き前王が知ればどれほど心を痛めるだろうか?」

「‥ッ…はぁ、はぁ…‥!!」

「──…陛下にお見せすれば、逆に喜ぶやもしれぬが」

 残忍な言葉をなげかけるタラン。

 苦悶の表情で目を閉じていたシアンは、それを聞いて、薄く瞼を上げた。

「そんな上気した顔で睨まれたところで、客を誘う男娼にしか見えぬな」

「…こん な状況でッ…!?‥‥ボクが、貴方を 誘うとでも‥‥?」

「露出した下半身を嬲られながら強がるなど滑稽だ」

 自らの絶対的な優位を確信し、シアンを嘲笑う。そして両脇に控える王宮警備兵に目を向けた。

「まぁよい、そろそろ夜が明ける。私には公務があるので失礼するとしよう。……ああ そうだ」

 シアンを残し牢を去ろうとしたタランが、思い出したように振り返る。

「本日のベイオルク(王宮警備兵)殿の巡回には、サルジェ公爵邸も含まれていたな?」

「……!!」

「巡回は代わりの者を手配しよう。先刻ハナム王妃が貴様に渡していた怪しげな書状も──…その際に突き返すとしようか」

「‥僕と王妃様が話すのを…見て…いたのですか…ッ」

「当然見張りをつけておったとも。おかげで貴様の正体も呆気なくわかった。
 ……見たところ書状は手元にないようなので、後ほど宿舎の部屋を探させよう」

「…っ」

「ククク……貴殿は何も心配せず、此処でたっぷり……もてなされよ」

 タラン侍従長はそう言い残し、シアンの前から姿を消した。



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