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謀殺された王子は 復讐者として淫らに返り咲く
第4章 掌握する者

「…っ…うるっさいな」

 しかしここで、机が音を立てた拍子に、奥で寝ていた別の兵士を眠りから覚ましてしまう。

「ふあ~あ、ん?おいおい!そこで何してる?」

「ちっ…邪魔がはいった」

 あくびをして立ち上がったそいつは持っていた空器を床に捨て、シアン達に近付いた。

 馬乗りの男とは反対側に回り込み、机に仰向けのシアンを赤い顔で覗き見る。

「いい女だな!どこで見つけた?」

「女じゃない男だ!今日はいったばかりの新人だ」

「お、男?…はあ?」

 まだ酔いが抜けていないのか焦点の定まらない目が、信じられないと言いたげにシアンを見下ろす。

「男ー?んー、男ねえー?」

「邪魔するならさっさと持ち場に戻れっ」

「お前も仕事ほったらかしで遊んでるじゃないか。…んまぁ男だろうと女だろうと構わないか」

 やはり酔っている。しまりのない顔でニタニタと笑う男は、勝手に自分の下衣を弛め始めた。

「酒をひっかけたせいで少し溜まっていてな。便所まで歩く手間がはぶけた。おい、口を開けろ」

「は?ふざけるな!貴様の小便の臭いなんぞ嗅がされた日には、一瞬で萎えちまうだろう」

「……はぁ、うるさい奴だな。わかったわかった、小便のほうは我慢しといてやる」

「当たり前だ」

 当人を無視して身勝手に言い争う。新たに加わった男は渋々ではあるが折れたらしい。

「こいつを連れてきたのは俺だからな?貴様は俺が遊んだ後にしろ!」

「ちぃっ…ケチ臭い」

 その間にも男の手が身体中を這い回る。

 そして露わなふたつの乳首に喉を鳴らすと、片方の突起に吸い付いた。


「…ッ…んふっ」


 すると……それまで静かだったシアンの口から即座に声が漏れる。



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