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謀殺された王子は 復讐者として淫らに返り咲く
第34章 崩壊
爆発と同時に瓦礫と調度品も吹き飛んだ。
直撃こそしなかったが背を向けていたタランも前に倒れ込む。
「な………な………!?」
床に伏せて振り返ったタランはしばし放心する。
暖炉があった場所は、そのまわりの壁も含めて、粉々に砕け散っていた──。
「何の音だ!?」
爆発を聞きつけ、外で待機していた近衛兵達が使用人と一緒に部屋へなだれ込んでくる。
彼等は部屋の惨状に驚いた様子であったが、床の絨毯(じゅうたん)に火が燃え移っているのを見て、慌てて消火を始めた。
「水瓶はどこだ!急いで持ってくるんだ!」
「…っ…何が起こったらこうなる?壁も破壊されているぞ!?」
「それになんだ……この、異様な臭いは……!?」
立ち篭める煙。
独特な異臭。
混乱する面々が運んできた水を暖炉にかけている間、使用人達が動こうとしないタランの身体を引きずっていた。
「タラン様!危険ですから離れて下さい!」
「……!?」
何が起こったのか、部屋にいたタラン自身もまだ理解できないでいる。
“ 何故だ……これは?爆発……したのか……? ”
敵襲か?
“ いや外から攻撃された気配は無かった。私が奴の義手を火に捨てた直後に爆発がっ……! ”
コロン...
「ひっ‥」
倒れたタランのすぐ隣に……変形した鉄の筒が転がった。
外側のワラは黒焦げとなり、残りカスが残るのみ。