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謀殺された王子は 復讐者として淫らに返り咲く
第39章 偽りの色

 そんな壊される寸前のシアンの耳に、アシュラフの低い声が追撃する。

「男娼として我が国の要人に近付いたお前は、ラティーク・タランの野心を利用し、帝国との対立を煽った」

「‥…へいっ‥‥か‥!!‥‥違──…アッ!‥…ああ!」

「…それで利を得るのは西国の連中だ」

「ぁっ‥…や、あ!ああっああっ!ああっ‥//」

 容赦なく急所を潰してくる淫具の回転にあわせ、シアンの声が跳ね上がる。質問に答えさせたいのか責め殺したいのか、もはやわからない。

 だらしなく唾液を垂らしたシアンの口からは、桃色の舌先が苦しそうに顔を出していた。

 それは絡める相手もいないのに…男を誘惑する蛇のようでもある。

 無論、シアンの醜態に興奮する兵士らの中には、今すぐ彼の口を吸いたい者もいただろう。

 だが王の御前だ。代わりに彼らはシアンの身体に手を伸ばし、いっせいに可愛がることにしたのだ。

「‥…あぁああっ‥‥//‥‥んんっん~~!‥はぁ、ああっああっ…あああっ‥!」

 ぷくりと膨らんだ両乳首、過敏に反応する腋のくぼみ、首筋をたどった耳の後ろ、震えが止まらぬ内腿、つま先を丸めた足の裏と、指の間まで──。

 さらには淫具を咥え込んだ肉茎も、下から上へと何度も撫でられる。

 空いた後孔がわななく尻は、指の腹で容赦なく入口をほぐされた。

 全身を犯し尽くされ

「‥カハッ──!…アッ、ああああ‥!!」

 振り乱した髪の間から、すべての余裕を剥ぎ取られた顔があらわになる。



 苦悶と、喜悦と、欲情と…


「ああっ‥‥へい、か」


 目の前の君主にだけは、見せたくなかった顔だった。



 身をよじっても何ひとつ逃れられない快感のせいで、どうしていいかわからなくなり、思考を止める。

 色めいた声を出す細首を仰け反らし、それまで見ないようにしていた相手を仰ぎ見た。

 霞んだ視界に相手は映らない。

「──…」

「‥へい…か‥っ‥!‥ああああっ」

 絶頂に突き上げられたシアンは、容赦ない快楽に陥落し、すがるように…淫らに泣いた。







「もう、いい」


 低く長い息を吐いた後、スルタン・アシュラフはそのひと言で、近衛兵たちの手を止めた。



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