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謀殺された王子は 復讐者として淫らに返り咲く
第43章 誓い
「それが私の生きる意味でもありました」
シアンの真剣な眼差しが、男の胸を叩く。
「……生きる意味か」
「ええ、陛下」
嘘がないからこその力強さ──。
「……、では、外の侍従に渡して参りますね」
けれどそれについて長く話すつもりはないようで、すぐにシアンは寝所の出口へ向かった。
器の中の湯が、冷たくなり始める。
器を左腕でかかえるように持ち直した彼は、あいた右手を取手にかけて、重たい扉を押した。
その後ろ姿をじっと眺めるアシュラフが
「──…」
健気で痛ましい彼の想いに、たまらず表情を曇らせる。
「やはりお前は……
誰よりも不自由だ。シアン・ベイオルク」
....
「───!?」
シアンが扉を押した瞬間
ちょうど同じタイミングで入ってこようとした男がいたので、彼はその男と真正面からぶつかった。