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謀殺された王子は 復讐者として淫らに返り咲く
第7章 餌はしたたかに振る舞う
「……」
「……ま、だ?」
「うーん」
「…………まだ、ダメか?」
「あと400セクンダ待とうか」
「そんなになのか!?」
「…っ…うそうそ。僕が次のを作っておいてあげるから、これはすぐに食べていいよ」
「やった♪」
シアンの許可がでたところで、一度匂いを吸い込んでから、シアンが手離すのも待てず大きく口を開けた。
「……ぅぅぅ……うっまぁ…」
うっとりと味わい、幸せそうに目を細める。
今度オメルを街のバールに連れていこうと、シアンが決心した瞬間である。
「うまいなこれ!肉も…ぜいたく…」
「落ち着いて食べなよ。ほら、クリームが」
「うむっ?」
幼子を相手にするように、口の端についた白いカイマックを指で拭うと、それをペロリと舐めとった。
「……//」
落ち着きのなかったオメルの頬が、途端にカアッーと赤くなる。
「照れている?」
「ふぇ!? てっ照れてないけど!?」
「そう、じゃあー……綺麗に舐めてあげるね」
「…ッ…わわわ」
ウブなオメルに顔を近付け、直接唇に舌を這わせる。
ペロッ..........
仕事時のそれと同じ笑みが、シアンの顔に浮かぶ。
普通 の笑い方を忘れてしまった彼だが、こういう時の表情は驚くほど豊かで生々しかった。
「う…うう~~~!エロいぞシアン!」
「ごめんね、僕エロいから。お詫びにはい、お肉をどうぞ」
からかいがいのある反応を返すオメル。シアンはすぐに顔を離して、食べかけのピタに追加の薄切り肉を乗せてやった。