この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
謀殺された王子は 復讐者として淫らに返り咲く
第9章 蜜にたかる蛆


「あいつが…………戻ってくる」


「……。あいつとは…?」


「──…」


「もしや、あの反逆者の事ですか」


 にこやかだったタランの表情に曇りがさした。

 座椅子で水パイプを嗜む相手は、タランの変化に気付かぬのか気にしていないのか、そのまま構わず呟(つぶ)めいた。

「もうじき俺を殺しに来る。国の混乱に乗じ……俺に不満を抱く民達を率い……俺の首を取りに来る」

「…っ…ま さか、何を仰りますか陛下!」

 タランは思わず片膝を立てて身を乗り出す。

 書状は傍らに捨て置き、男の足元まで近付いた。

「あの者は十年近くも前に既に死んでいるのです。今更…っ…何がどう転ぼうと陛下の前に現れる訳がありません」

「……死んでいる、か。……フ」

「……!?」

「何処に……そんな証拠があるのか。たったの指の一本……それだけで、何を信じろと言うのだ」

「陛下、それは…!」

「……あいつは今も、俺を恨んでいる」

 再び紫煙を吐き出した男は水パイプを手放し、床の上に転がした。

 そしてこめかみに手を当てると、気分が優れない様子で頭を傾け片足を投げ出す。


 天蓋の隙間からのぞいた薄い褐色の足に──タランの両手が添えられる。


「我が愛しの君主よ……。どうかその様に思い悩まれませぬよう……」


「……ッ」


 足の指を唇に含んだタランが、踵(かかと)を包んだその手をふくらはぎに滑らせ、膝裏までを辿った。

 逃げようとしない足に何度も口付けをほどこす。

 そして、金模様のベールを捲り内側へ身を入れたタランは、悩ましく息を吐いて目を伏せた若き君主を──滑らかな絨毯の上に押し倒した。







──…





/401ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ