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謀殺された王子は 復讐者として淫らに返り咲く
第10章 狂宴



「──…だから さっさと 僕を 抱いて下さい」



 圧倒的な存在感でシアンが言い放つ。

 媚びがいっさい無い今だからこそ、その色香は刃のように研ぎ澄まされている。

 言葉をつむぐ唇の動きひとつひとつが…男達の意識を集めた。

 武器を持つ手が力を失う。
 欲情を掻き立てられる。
 凛とした美貌にただただ魅了される……。

 だがひとりとしてシアンを抱こうと名乗り出る者がいない。

“ く、喰われちまう…… ”

 根拠の無い不安が、欲情した彼らを呑み込んでいるのだ。

 この青年に手を出せば──喰われるのは自分であると。


「ここにいる全員の相手でも構いませんよ。
それか──…そう、" 貴方 " からにしますか」


 買い手のいない男娼がニコリとも笑わず切っ先を向けたのは、すぐ横で尻もちを付き倒れている浅黒い肌の大男だった。

 それは偶然にも、練兵所で負かした時と同じ──

 勝者と敗者が歴然とわかる立ち位置で、シアンはウルヒに詰め寄った。

「く、来るなぁ…!」

「遠慮なさらず……ねぇ?貴方のソレ、張りつめて苦しそうですよ?」

 ウルヒの足元で跪いたシアンは、刀を置き、その右手を男の股間へ伸ばした。

 爆発寸前のイチモツが、彼の手が触れた事で大きく震える。

「うおっ…!」

 ウルヒは、わけもわからず興奮している自身の肉茎に目を剥き、厭らしくそえられた白く長い指に釘付けになる。


ツーーーー……


「…ッ…あ//……触んなっ…」

「……」

「……!?………はあっ、あ……??…──ッッ」

 根元から幹をゆっくりなぞり上げる指先──

「…くッッ…おおお!」

 ブルブルと震えた後、シアンが先端をなぞりながら軽く息を吹きかけたのに合わせて、ウルヒは迸りをぶちまけた。


ドピュッ──…


「早いですね」

「ぅ゛…っ…ぁ…!?」

 まともに触れられてすらいないのに限界を迎えたソレを、シアンが鼻先で揶揄う。

 蔑みの笑みを向けられたウルヒは脂汗を浮かべて狼狽えた。

「でもまだ足りないでしょう?」

「…!?─ひ‥‥いやいい!触るな…!!」

「すべて、吐き出すまでお手伝い致します……!」

「‥ッ‥ぅ、おお!」

 淫液が通り抜ける幹をシアンの五指が締め上げ、休ませてやるものかと動き出す。




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