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僕のとなり
第11章 同棲
「いらっしゃい、さ、二人共中に入って頂戴…」
「お邪魔します…」
優真が緊張したようにそう言った。
「初めまして、あなたが森山さんね?」
「はい、僕が森山優真です…お義母様ですよね?」
「そうよ、薫の姉には見えないわよね?そもそも、薫は一人っ子だけど…」
そう佳代子は言うと大きな声で笑うのだった。
僕らも釣られて笑った。
「母さん、父さんは?」
「お父さんは居間にいて待ってるわよ…さ、上がって頂戴…」
僕らは促されるままに玄関の上の板張りの廊下に上がった。
居間は家の1階の奥にある。
そこまで廊下を歩いてゆく。
突き当りの部屋が居間だった。
その居間の大きな座卓に父、寛貴が座布団に座って待っていた。
「お父さん、薫たちが来ましたよ…」
「お、そうか、君が森山くんだね?」
「はい、お義父さん…」
「薫がいつも世話になっている様で済まないね…」
「いや、僕の方こそ薫くんに世話になってます…」
事実、優真の部屋の掃除や食事の支度は僕がやっていたのだ。
世話をしているのは僕の方だと思った。