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僕のとなり
第11章 同棲
母、佳代子は優真がその話をすると激しく首を横に振って見せた。

「私は、薫に森山さんを紹介してね、とは言ったけど一緒に暮らす話は聞いてないわよ…」

佳代子は激しく反対しているのが見て分かる。
優真はどうしようかと考えている様だった。

父、寛貴もそれを聞いて頷いている。

「始めて会って、いきなり一緒に暮らしたいとはな…」

父はちょっと呆れている様子だった。
それでも、優真は話す。

「薫くんは、僕が責任を持って預からせて頂きますから安心してください…」
「父さん、僕からもお願いだよ、一緒に暮らす事許してくれない?」

すると、佳代子が割り込んでくる。

「薫は、松崎家の一人息子です、薫が家を出てしまって居なくなってしまったら、私たちの老後は誰が面倒見てくれるって言うんですか?」

佳代子は少し涙ぐんでいる。
でも、父はまだ48歳だし、母は45歳になったばかりだ。

老後の事を考えるのはまだ早いんじゃないかと僕は思っていたけれど、両親からしたら一人息子の僕が居なくなってしまう事が淋しかったのかも知れない。

「父さん、僕は大学を卒業したら企業にちゃんと勤めて毎月父さんと母さんに仕送りをするし、ちょくちょく家には帰って来るから心配しないで欲しい…」

「でも、この家はどうする気だ?」
「僕は、家はいらないよ…」

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