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僕のとなり
第11章 同棲

「いらないって?」

「そうだよ、僕が出て行った後、家を売ってそれを老後の老人ホームに入る資金にしたらいいと思うけどどうかな?」

確かに、僕の家は横浜市の美しが丘にあり駅からも近く、立地も良いし家の広さもかなりあった。

父は貿易の仕事をしている。

貿易会社の主な仕事の内容とは、異なった国のメーカー(もしくは問屋さん)とお客様をつなぐ仕事だ。

品質は同じものにも関わらず、日本では高額取引されており、海外では安く取引されている。

そう言った商品を海外から日本へ輸入し、その差額を利益として頂くのが貿易会社のビジネスモデルだ。

父はそれなりの高収入を得ていると言える。
だから、こんなに広い家を建てることが出来たのだと思う。

僕はその家もいらないと父に話した。
父はちょっと考えている様だった。

「父さん、僕は優真と一緒に暮らしたいんだ…その他には何もいらないよ…」

この気持ちはゲイに限った事ではないと思う。
恋愛して好きな人が出来たら、やはり一緒に暮らしたいと思うのが自然じゃないだろうか。

それは、異性との恋愛でも同じだと思う。
いつも一緒に傍にいたいのだ。

僕も優真もその気持ちには嘘はなかった。
父さんは、尚も考えている。

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