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僕のとなり
第11章 同棲
佳代子は涙を拭いていた。
「母さん、まだ二人は若い、この先何があるか分からん、その時は支えてやろうじゃないか?」
「そうね、まだ二人は若いわね、何があるか分からないわね…」
どうやら両親は僕らが将来別れてしまった時のことを心配しているらしかった。
それは、僕にも優真にも分からなかった。
「薫、いつでも、家に帰って来ていいんだからな…ここはお前の家だ、それだけは忘れるなよ…」
「父さん、分かってるよ…」
「薫の気持ちはよく分かった、森山くん、薫をよろしく頼むよ…」
「分かりました、しっかりと預からせて頂きます…」
「森山くん、ありがとうな…それから、薫、大学だけはちゃんと卒業してくれ…学費の事は心配しなくていい…」
「分かってるよ、父さん、ちゃんと大学は卒業するよ…」
「母さん、これでいいよな?」
佳代子はまた涙を拭いた。
笑顔になってこう言ってくる。
「そうね、二人共、身体には気を付けるのよ…ちゃんと食べて、寝るのよ…」
「分かってるよ、母さん…」
僕は佳代子の隣の席に移動して肩を抱きしめながらそう言った。
また、涙を流している。
僕が居なくなるのが本当に淋しんだと思った。
僕らの緊張が一気に解けると急にお腹が減って来た。