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僕のとなり
第11章 同棲
「さ、みんな、お寿司を食べて頂戴…」
佳代子がそう言ってくる。
それを聞くと僕と優真は顔を見合わせて笑った。
優真もようやくリラックスして来たみたいだった。
お寿司を箸で摘まむと口に運んでゆく。
「お義母さん、美味しいです…」
「そう、良かったわ、薫もたべなさい…」
僕は大好物のウニの軍艦巻きを箸に取ると口に運んだ。
そのウニは口の中でとろける様に美味しかった。
僕は立て続けにウニの軍艦巻きだけを食べていた。
「薫、ウニばかり食べてないの!!他の人の分が無くなるでしょう…」
母から子供の様に叱られてしまった。
その姿を見ると優真は声を大にして笑うのだった。
穏やかな時間が流れて行った。
外はすでに、雨は止んでいいて太陽が少し顔を出していた。
食事が済んだ後、僕は後片付けを手伝ってキッチンに佳代子と一緒にいた。
「薫もこの家を出て行ってしまうのね…」
「母さん、ちょくちょく帰って来るから心配しないでよ…」
「一人息子だから、余計に居なくなるのが淋しいのよ…」
「それは、僕も分かってるよ…」
佳代子と僕はいつもキッチンで一緒に料理を作っていた。
煮物や焼き物もみんな母から教わったものだった。