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僕のとなり
第12章 同棲生活
何だか、家事をしていると本当の夫婦の様に感じてしまう。
ゲイには結婚という社会的制度が無い。
だから、僕らはいつも別れる事に不安を感じていた。
その不安を少しでも和らげるために、僕は結婚指輪が欲しいと思っていた。
その事を優真に伝えた。
「優真さ、今度の休みにジュエリーショップに行こうよ…」
「ジュエリーショップか?何しに行くんだ?」
「僕らの記念すべき結婚指輪を買うためだよ…」
「結婚指輪か?そんなに欲しいのか?」
「うん、だって僕らは結婚て言う社会的な契約がある訳じゃないし、何か形で見えるもので繋がりを感じていたいんだ…」
優真がちょっと考えたようにこう話した。
「そうだな、俺たちは社会的に守られるような制度がないからな、買いにいこうか?」
「ありがとう、僕もお金は出すよ…心配しないで…」
僕は、この結婚指輪を買うために、コツコツと貯金もしていた。
でも、普通のカップルがするリングだと本当の結婚指輪だと分かってしまう。
だから、僕は男性がする“クロムハーツ”のリングが欲しいと思っていた。
「優真さ、余り世間から僕たちゲイだと思われたくないからさ、リングはクロムハーツの指輪にしない?」
「いいよ、俺も同じこと考えてた…」
クロムハーツのリングなら男性がしていてもそんなに違和感はなかった。
僕らは、優真の仕事の休みと僕の講義が休みの日に合わせて横浜高島屋の中にあるジュエリーショップへ行った。