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僕のとなり
第2章 彼女
3本のカーネーションを綺麗にラッピングしてもらい店を出た。
僕は薔薇の花よりもカーネーションの花の方が好きだった。
カーネーションはどことなく暖かみを感じるからだ。
こんな花言葉を知っているなんて、やっぱり僕は女っぽいのかも知れなかった。
真央の自宅は202号室だ。
1階が花屋なので実際には3階になる。
僕は202号室のインターホンを押した。
「はーい…」
真央の声がインターホン越しに聞こえてくる。
それと同時に玄関の鍵が開き、真央が顔を出した。
「薫くん、いらっしゃい…さ、上がって…」
「はい…」
真央は僕がカーネーションの花を持っているのに気づいた様だった。
「あら、お花買ってきてくれたの?嬉しいわ。ありがとう…」
「はい、下は花屋ですからね。綺麗だったから買ってきました…」
真央はとても嬉しそうにそのカーネーションを受け取ってくれた。
「お邪魔しまーす…」
僕はそう言って部屋に上がった。
約15畳のワンルームは僕の部屋よりも広く感じた。
ハチワレ猫のミウが僕の脚にすり寄って来た。
ミウは人懐っこい猫だ。
僕はミウの頭を優しく撫でてみる。