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僕のとなり
第3章 バイト

何気に、僕の肩を抱いてきたり、お尻などを時々触ってくるのだ。
僕の容姿が女っぽく、身体も華奢だからだろうか。

そんな、ダイニングバーMにお客として来ていたのが森山優真だった。
毎日自分の食堂の様な感覚でダイニングバーMに来ていた。

僕は女性客からも人気があった。
30代、40代の女性のお客さんは僕を“薫くん”と言っては何かと注文をしてくれる。

日本ではあまり見受けられない“チップ”なども時々くれたりもした。
そんな時は決まってこういうのだ。

「少ないけどこれで何か好きな物買ってね…」

その度に、僕は恐縮してしまう。
そんな僕の姿を店長の佐藤さんはいつも見ていたのだ。

今日は金曜日とあって、お客さんがいつもよりもちょっと多かった。
厨房から声が掛かる。

「はい、7番さんテーブル出来上がったよ…」
「はい、わかりました…」

僕は出来上がった料理を女性客の居るテーブルへと運んでいた。
女性客は僕が来ると黄色い歓声を上げる。

「はい、お待たせしました。ご注文のマルゲリータピザです…」
「ありがとう、薫くんは、本当に可愛らしいわね。いつ見ても飽きないわ…」

そう言われると悪い気分もしないし、少し嬉しかった。

「いつも、ありがとうございます。ゆっくりしていってくださいね…」
「嬉しいわ、こうして薫くんと話せるのもこの店に来る楽しみなのよ…」

「そうなんですか。僕も嬉しいです…」

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