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第5章 日曜日

僕はふと、優真の事を思い出していた。

（今日は日曜日だ。優真は仕事なんだろうな…）

僕は心の中でそう思っていた。
日曜日はアパレル業界からしたら掻き入れ時だと思う。

僕は先日優真のアパートでの出来事を思い出していた。
すると、また心臓がドキドキし始めたのだ。

暫くすると今度は股間が苦しくなってきた。
僕は慌てて、学校の授業の出来事を考えてみた。

苦手な物理学などの事を考えていると、何となく落ち着きを取り戻していった。
時刻は10時半になり、礼拝が始まった。

オルガンの演奏に合わせて讃美歌461番、“主我を愛す”を唄う。
～主、我を愛す、主は強ければ～

～我弱くとも、恐れはあらじ～
～我が主イエス、我が主イエス、我が主イエス、我を愛す～

僕は讃美歌を唄うのが好きだった。
でも、カラオケは苦手だ。

讃美歌は皆で唄うからいいのかも知れない。
声を出して、思い切り唄うと気分がスッキリするし、満たされた気持ちになる。

讃美歌を唄い終わると中村牧師のお説教が始まる。
今日の説教の内容は“幸せ”についてだった。

中島みゆきさんの『糸』の曲を例にとって中村牧師は話始める。
何故、中島みゆきさんはこの『糸』の最後の歌詞で幸せを“仕合せ”と書いたのか。

それは、本来幸せの語源とは“な仕合せ”から来ている事だと言う。