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第5章 日曜日

「実は、僕仏教にも深く興味があるんですよ…」
「仏教かい？」

「はい…」

加藤さんはとても不思議そうに僕の顔を見ていた。
僕は自分の考えている事を話してみようと思っていた。

「加藤さん、一神教の定義の神様は何もない所から人間や自然はもちろん、宇宙をも作ってしまう存在ですよね？」

「そうだね、聖書の創世記がそうだね…」
「でも、多神教は違うんですよ…」

「どう、違うんだい？」

「多神教の神様の世界ではすでに宇宙は初めからあって、宇宙の内に神々が存在するって話なんです…」

「それは、聖書の中の話しとは違うね…」

「でも、僕は思うんです。僕なりの考えなんですけどね。こんな話を加藤さん以外の教会員の人に話したら怒られそうだけど…」

僕はそう言うとちょっと苦笑いをした。
それでも加藤さんは真剣に聞こうとしてくれている。

「薫くんはどう考えてるんだい？」

「僕が考えるには、神様は宇宙を造り世界を造って、人間を造りその世界の隅々に神々を置かれたんじゃないかな？って思うんです…」

それを聞くと加藤さんはとても驚いた顔していた。
確かに僕の考えている神様とキリスト教の神様は違っていたのだ。