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好きになったら止まらないっ!
第1章 私の王子様
「そこまで言うなら、お願いしようかな」
「はい!」
笑顔でハンカチを抜き取ってポケットにねじ込むと、男と手を繋いで歩き出す。
「おなか空いてませんか? どこかごはん行きます?」
「ごはんはいいかな。さっき食べたばかりなんだ。君さえよければ、1杯付き合ってくれる?」
そう言って男は、グラスを傾ける動作をする。
――いきなり飲みにいけるなんてラッキー!
六花は内心ガッツポーズをするのと同時に、彼をどう酔わせ、お持ち帰りしようか考える。本来、こういうことは男が考えるものだし、女性が考えるとしたら、どうお持ち帰りされるかだろう。今の六花は理性や常識を失っている。
「いいですね。この近くにオススメのバーがあるので、そこでいいですか?」
「もちろんだよ。僕、最近この辺に引っ越したばかりだし、バーの場所も把握したかったから、ちょうどいいよ」
名前すら知らない男の王子様スマイルは、更に六花の理性は崩壊する。
「そうなんですね。じゃあ、私が後で案内します」
「いや、さすがにそれは……」
「街案内が趣味ですから!」
「はぁ……」
六花は自分の支離滅裂発言など気にも止めないで、男性を時々行くバーに連れ込む。
入店すると、ふたりは奥のテーブル席に案内された。六花はパリジャンを、男はバイオレットフィズを注文する。
カクテルが届くと、話は弾む。――主に六花が質問攻めしているだけなのだが。
男の名前は瀬川司。25歳の独身で、恋人もいない。仕事は図書館司書をしているらしい。この街に新しく図書館ができるということで、3日前に引っ越してきたばかりだという。翌日休みの日はバーに行ってゆっくりするのが趣味のひとつなので、六花の勢いに驚きはしたものの、ありがたいと思っているようだ。
「君って面白いね。人とバーに来るのは初めてだけど、楽しいよ」
「そう言ってもらえて嬉しいです。また会ってくれますか?」
「街案内、してくれるんだろ?」
「もちろんです」
理想的な男性といる興奮で、六花は気づかなかった。司が耳まで赤くなっているのにも関わらず、グラスを傾けていることに。
「はい!」
笑顔でハンカチを抜き取ってポケットにねじ込むと、男と手を繋いで歩き出す。
「おなか空いてませんか? どこかごはん行きます?」
「ごはんはいいかな。さっき食べたばかりなんだ。君さえよければ、1杯付き合ってくれる?」
そう言って男は、グラスを傾ける動作をする。
――いきなり飲みにいけるなんてラッキー!
六花は内心ガッツポーズをするのと同時に、彼をどう酔わせ、お持ち帰りしようか考える。本来、こういうことは男が考えるものだし、女性が考えるとしたら、どうお持ち帰りされるかだろう。今の六花は理性や常識を失っている。
「いいですね。この近くにオススメのバーがあるので、そこでいいですか?」
「もちろんだよ。僕、最近この辺に引っ越したばかりだし、バーの場所も把握したかったから、ちょうどいいよ」
名前すら知らない男の王子様スマイルは、更に六花の理性は崩壊する。
「そうなんですね。じゃあ、私が後で案内します」
「いや、さすがにそれは……」
「街案内が趣味ですから!」
「はぁ……」
六花は自分の支離滅裂発言など気にも止めないで、男性を時々行くバーに連れ込む。
入店すると、ふたりは奥のテーブル席に案内された。六花はパリジャンを、男はバイオレットフィズを注文する。
カクテルが届くと、話は弾む。――主に六花が質問攻めしているだけなのだが。
男の名前は瀬川司。25歳の独身で、恋人もいない。仕事は図書館司書をしているらしい。この街に新しく図書館ができるということで、3日前に引っ越してきたばかりだという。翌日休みの日はバーに行ってゆっくりするのが趣味のひとつなので、六花の勢いに驚きはしたものの、ありがたいと思っているようだ。
「君って面白いね。人とバーに来るのは初めてだけど、楽しいよ」
「そう言ってもらえて嬉しいです。また会ってくれますか?」
「街案内、してくれるんだろ?」
「もちろんです」
理想的な男性といる興奮で、六花は気づかなかった。司が耳まで赤くなっているのにも関わらず、グラスを傾けていることに。