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君とセカンドラブ
第9章 明日香の危機
「ちょっと!うるさいわよ!」
明日香だとわからないように
少し声色を変えて隣に向かって大声で叫んでみた。
「やべえ!誰か風呂に入ってんぞ!」
「隣に襲いに行ってやろうか?」
「やめろやめろ、小さいチンチンだと笑われるぞ」
「ハハハ!ちげえねえ
俺たち皮被りだしな」
下品だ!リラックスできるはずもない!
もう充分温まったから部屋へ戻ろう。
どうぞご自由に騒いだらいいわ!
苛立つ気持ちでザバっと勢いよく風呂から上がった。
「おい、もう上がるのかよ?」
「誰だか知らないけど、もう少し俺たちと話をしない?」
『知るか!どうぞごゆるりとなさってくださいな』
明日香は気分を害して部屋へ戻り始めた。
風呂から部屋へ向かう廊下を歩いていると
後ろからバタバタと追いかけてくる足音がした。
『えっ?』
振り返るよりも先に
明日香の口が手で塞がれた。
「おい!ここへ連れ込んじゃえ!」
リネン室と表示されている小部屋に
明日香は拉致された。
そこは洗濯前のシーツや毛布などが詰め込まれている部屋だった。
そのシーツの海に放り投げ出された。
「きゃ!」
パチンと部屋の灯りのスイッチが入れられ
明日香をここに連れ込んだのが男性浴場で騒いでいた四人組だとわかった。
当然、彼らにも女性風呂から咜りつけたのが明日香だと気づいた。