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君とセカンドラブ
第10章 こんな俺で良ければ
「へえ~、僕にもお土産を買ってきてくれたんだね」
大きな包装紙のプレゼントを手にすると
開ける前からそれがTシャツっぽいというのがわかった。
ちょうど新しいシャツが欲しかったと思いながら
包みを開けてみると、
それは新撰組の法被だった。
「えっ?これ?」
こんなものどこに着ていけと言うのだろうか…
大人びた容姿とは裏腹に
こんなものをお土産に買ってくるなんて
精神的にはまだまだ子供なんだなと思わずにはいられなかった。
「へ、へえ~…すごいな…」
嬉しそうな笑顔を見せながら
内心、それをもらってどうすればいいのか困ってしまって「ありがとう」という声が変に震えてしまった。
「絶対にお兄さんに似合うと思って買ってきたのよ」
屈託のない笑顔でそう言うものだから
遼太は仕方なく法被に袖を通してみた。
「あら、案外と似合うじゃない」
葵が今にも吹き出しそうな表情で
新撰組のコスプレをしたような遼太を褒め称えた。
「明日になればお父さんも帰ってくるわ
もちろん、お父さんにも買ってきてあげたのよね?」
「もちろんよ、あの人にはこれよ」
そう言って差し出したのが
包装さえされていない『京都』という文字が書かれている使い捨てライターだった。