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君とセカンドラブ
第10章 こんな俺で良ければ
遼太のベッド脇に佇んでいたのは
明日香だった。
薄暗い常夜灯の中に浮かび上がるシルエットは
さすがに親子だけあって
初めは葵が体が疼くから遼太に夜這いでも仕掛けてきたのかと思った。
「なんだ、明日香か…
どうした?眠れないのか?」
今夜は父の誠一がいないから
階下のベッドルームから母親の悩ましい声がしてくるはずもなく、ゆえに明日香が遼太の部屋を尋ねてくる理由もないはずだった。
「お兄ちゃん…」
明日香は葵が傍にいるときは遼太のことを「お兄さん」と呼ぶが、こうして二人っきりだと甘えて「お兄ちゃん」と呼んでくれる。
「今、何時だよ…」
遼太は枕元のスマホを手にして時刻を確かめた。
午前2時…
草木も眠る丑三つ時って奴じゃないか。
「どうした?イヤな夢でも見たのか?」
「一人じゃ寂しくて寝れないの…」
『そんなこと知るかよ…
一人で寂しいのなら母親の葵の寝室に行けよ』
心では、そのように思ったが
遼太の口からは「じゃあ…一緒に寝てやろうか?」と、そんな言葉が自然に出た。
「いいの?」
「ああ、構わないよ」
ポジションをずらして、添い寝できるスペースを作ってやると『さあ、おいで』とばかりに掛け布団を捲ってやった。