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君とセカンドラブ
第12章 夫婦の営み、兄妹の営み
「かわいい…」
中から出てきたのは秋田犬をマスコット化したぬいぐるみのキーホルダーだった。
それを気に入ったのか
無愛想だった明日香がほんの少し微笑んだ。
「遼太にもあるぞ」
ほら、これだと大きな包みを差し出した。
「へ、へえ~…何だろう?」
遼太も可愛いものが貰えると思ってワクワクしながら包装紙を解いた
中から出てきたのは『なまはげのお面』だった。
「こ、こりゃあ嬉しいな…」
喜んでいいのかわからずに
遼太の笑顔はとてつもなくひきつっていた。
「ぷっ…」
初めて明日香が誠一の前で笑顔を見せた。
「それじゃあ、僕たちは自分の部屋に戻らさせてもらうね」
社交辞令のお土産交換会を済ませて
後はお二人でごゆっくりとうぞと気を利かせて
明日香と遼太は二階に消えた。
「明日香ちゃんが僕にお土産を買ってきてくれるなんて…」
誠一はライターを大事そうに胸のポケットに仕舞い込んだ。
「少しずつだけどファミリーになれそうな気がするわ」
葵も嬉しそうに誠一の肩に頭を乗せて甘えた。
「ファミリーを祝って夫婦の時間を楽しもうじゃないか」
誠一が葵の太ももに手をかけようとすると
「その前に…あなたが出張中に溜め込んだ下着などを洗濯しなきゃ」
葵はキャリーバッグから下着などを取り出して洗濯機に放り込んだ。
その時だった、何気なく手にしたワイシャツから
女物の香水の匂いが立ち込めた。
そう、それは紛れもなくソープランドで世話になった星羅の香水の匂いだった。
『そうよね…出張中に羽根を伸ばすことだってあるわよね』
物わかりのいい女房になろうとしたが
心の奥で嫉妬の炎がメラメラと立ち上った。