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君とセカンドラブ
第12章 夫婦の営み、兄妹の営み

廊下に出ると
バスルムから葵の悩ましい声が微かに聞こえてきた。

どうやら親父と入浴を共にしているのか
いつもと違う命令口調の父の声もしてくる。

『くそっ!俺の葵を抱きやがって!』

父と葵が夫婦なのだから
夫婦仲が良いことを喜ぶべきなのに
なぜだか遼太は葵を寝取られた気分になった。

『くそっ!葵も葵だぜ!
あんな中年男のどこがいいって言うのさ
俺のチ○ポの方がカチカチで気持ちいいに決まってるのに!』

ナマハゲのお面を被っているせいか
なんだな妙に気性が荒くなっている気がしていた。

「悪い子はいねえが!」

すっかりナマハゲになった気分で
ノックもせずにいきなり明日香の部屋のドアを開けて、おもいっきり低音のドスの効いた声で叫んだ。

「お兄ちゃん?何?どうしたの?」

まさか、この歳になって鬼ごっこでもしようと言うの?
日本文化に疎い明日香はナマハゲの事をよく知らなかった。

泣き叫び怯える子供たちのニュース動画を知っている遼太は明日香も怯えて泣いてくれるかと思っていたのだが拍子抜けしてしまった。
たとえ、明日香がナマハゲを知っていたとしても
中学生にもなった女の子が泣くことはないと冷静になればわかりきった事だった。

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