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君とセカンドラブ
第14章 招かざる客
「せっかくお越しいただいたのに申し訳ないんですが…父は、あ、いえ、誠一は留守にしているんですよ」
『やはりそうでしたか…
東京駅に着いてから何度かLINEを差し上げたのですが、ずっと既読にならなかったので…
きっと訪問されるのが嫌だったのかしら…』
あからさまにガッカリした表情をするものだから
このまま追い返すのは気が引けるし、
せっかくわざわざ秋田から来たと言うのに冷たくあしらうのも躊躇われた。
「あの…良ければウチで少し休んで行かれます?
遠いところから来られたんで疲れてるでしょ?」
新手のキャッチセールスかもしれないと思いながらも、遼太はこのまま追い返しては良心の呵責に苛まれると思った。
『えっ?宜しいんでしょうか?』
そう言ってくれるのを待っていたかのように
「せいら」と名乗る女性はドキリとするような美しい笑顔を見せた。
「すいません、父の誠一も母も留守なのでお構いは出来ませんが…」
上等なコーヒー豆もあるのだけれど、
邪魔臭くて淹れたこともないので
インスタントコーヒーを星羅に差し出した。
「すいません…誠一さんのご都合も考えずに押し掛けてしまって…」
よほど疲れていたのか
星羅はインスタントコーヒーだけれど
遼太の差し出したコーヒーをとても美味しそうに飲んでくれた。