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君とセカンドラブ
第14章 招かざる客
若い女性(おそらく20代半ば)が見ず知らずの家に泊まると答える筈もない。
仕事上の付き合いのある誠一が在宅しているのならいざ知らず、全く初対面の遼太に「泊まりませんか?」と言われたところで辞退するに決まっていると思っていた。
「まあ!嬉しいわ!
いいんですか?ほら、東京って右も左もわからないものだから、どこへ泊まればいいのか不安だったんです」
えっ?いいの?
ホントに?
この家には、今、僕一人なんだけど…
そんな遼太の思いとは裏腹に
星羅は泊まるところを確保したという安心感からか、上着を脱いでリラックスし始めた。
『無邪気というか…警戒心のない人だなあ…』
まあ、泊めると言ってしまったからには
親父が帰ってくるまでちゃんとお引き止めしなきゃな。
父の誠一にとって、大事な客かもしれないし。
星羅が来たことで、遼太も心置きなく祖母とやらの葬儀に行かなくても済みそうだし。
そうと決まれば急に空腹感を感じた。
「あ、あの…何か食べます?
僕、ピザのデリバリーを頼もうと思っているんですけど、良ければ食べませんか?」
ピザというワードに星羅の顔がぱぁっと明るくなった。
「ピザ?
わあ~、おい、ピザ大好ぎなの
ええ、もぢろんくわ」
急に飛び出た方言らしい言葉に
遼太は俄然興味が湧いて、もっと星羅と会話してみたくなった。